INTERVIEW
小比類巻貴之
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チェ・ホンマン
TURBO
マモル
藤原あらし
ロシア期待の超新星




大会前から脚光を浴びていた韓国格闘技『シルム』のスター、チェ・ホンマン。キックの練習が一ヶ月半しかできなかったというハンディを背負いながらも、天性の本能でガオグライを破り、遂に大会優勝を手中に収めた。しかし、韓国の巨塔は動き出したばかり。六月の大会を見据え、その瞳に青い炎を燃やしている。
― この前のソウル大会では、やはり決勝戦が一番苦しかったですか。
チェ そうですね。相手と身長差があったので、逆に自分の力が出しにくかった面がありました。
― ガオグライ選手と闘ったとき、『かけ逃げ』をされるシーンが多かったように思ったのですが、その点でも自分の力を出しにくかったんじゃないでしょうか。
チェ でも、私が逆の立場だったら、同じことをしていたんじゃないかと思いますよ。だから、それは仕方ないんじゃないでしょうか。不満、というようなものは特にありませんね。
― そんな中、ガオグライ選手のパンチが顔に二回ほど当たったシーンがありましたね。あのパンチはどうだったのでしょうか。
チェ 全然でしたね。あまり効きませんでした。私は骨太なんですよ。だから、あまり響かなかったんでしょうね(笑)。
― それだけ余裕があったということは、楽勝の試合だったとも言えると思うんです。そのあたりはどうでしょうか。
チェ やはり、韓国は私のホームですから。そういう意味で楽な部分もあったように思います。韓国では私のK‐1参戦に対する不安があったんです。やはり、短い練習時間で新しいリングに上がったわけですから。でも、会場ではみんなが私のことを応援してくたので、そういう空気を跳ね除けることができました。
― 今回初出場でありながら大会優勝という非常にセンセーショナルなデビューを飾ったわけですけれど、今後如何にして試合に望んで行きたいと考えていますか。
チェ やはり、練習ですね。大会まで時間が少なかったので、ボクシングを中心とした練習しかできませんでした。だから、今後はキックの方にも力を入れてお客さんを楽しませるようにしていきたいですね。
― でも、今回の試合ではヒザを非常に有効的に使用していた印象がありましたよ。あれは練習した結果ではなかったのですか。
チェ 実はヒザの練習なんて一切していなかったんですよ。あれは自分の身体から本能的に出たものだったんです。でも、周りの人からも同じようにあのヒザを褒めていただいきました。
― 次の六月の大会では、さらに進化したヒザが見ることができるのでしょうか。
チェ 六月の大会は、私にとって日本でのデビュー戦となります。だから、自分の持てるすべての力を出し切りたいと思っていますし、そのヒザに関しても期待してもらえるとうれしいですね。
― ソウル大会では現チャンピオンのレミー・ボンヤスキー選手や元チャンピオンのピーター・アーツ選手なども出場されていましたが、自分の試合以外に何か気になった試合などはありましたか。
チェ レミー選手とアーツ選手の試合はしっかり観ましたよ。やはり、彼らのキックの技術は私も見習いたいと思いました。あと、今日の試合以外でも、武蔵選手などの打撃系の選手などの闘い方は非常に参考になりますね。
― 今後のことを考えれば、そのような選手との対戦も可能性として十二分にあると思うんです。そのような中で、仮に十二月のGPに出場するとしたらどんな選手と闘ってみたいですか。
チェ ここでは誰とはいえませんけど、胸のうちで闘いたいと思っている人はいます。
― これから十二月の試合まで相当な時間があると思うんですが、その中でどれくらいの試合をこなしたいと考えていますか。
チェ できるだけたくさんやりたいですね。さっきも話がでましたけど、前回のソウル大会では私自身そこまで疲れたという感じはしなかったんです。そういう意味では、これからたくさんの試合をこなすことができると私自身思いますし、今年の大会がK‐1のスタートラインになると思うんで、できればたくさんこなしていきたいですね。
― では、試合のこと以外にチェ選手のプライベートのこともお聞かせください。前回のソウル大会が終わった後、どのようなことをされましたか。
チェ そうですね、K‐1のビデオをたくさん見ましたね。
― ということは、オフのときもK‐1のことに時間を費やしているということですか。
チェ 今回のソウル大会でK‐1ファイターとしてのキャラクターを作りたいと思ったんです。自分が今までやっていたところから環境が変わるわけですし、そういう意味でも自分自身を変えてみたいという願望があったんですね。そういうことがあったので集中してビデオを見ていたんですよ。
― 韓国での格闘技以外での芸能活動についてはどうなんでしょうか。そういったところで今後の展望などは何かありますか。
チェ まず今はK‐1の方がスタートしたばかりなので、芸能活動的なことにはあまり神経を使いたくないんです。やはり、今はGPを優勝することに集中していきたいですね。
― ソウル大会が終わって韓国での人気はさらにうなぎのぼりだったと思うんですが、そのあたりはどうだったのですか。
チェ まず、試合直後は外に出れないくらいの熱狂振りでした。それだけじゃなく、今回の試合のことで韓国国民自体がK‐1に興味を持つようになって、格闘技ファンが一気に増えたんですよ。もちろん、私のファンクラブの人数もたくさん増えて、今では会員が六万人ぐらいになりました。
― それだけの会員がいるというのはすごいですね。ファンレターのようなものもたくさん届くんですか。
チェ ほとんどメールですけどね。ファンレターは届きますよ。
― ちゃんとおかえししているんですか。
チェ いやいや、それはできないですよ(笑)。
― 確かにそれだけの数だったら難しいですよね。でも、そんな状態だったら外を歩くのだけでも大変なんじゃないですか。
チェ 一瞬にして人が集ってきてきますから、下手に街は歩けないですよ。でも、今はまだ試合直後なんで大変ですが、もう少したったら落ちついてくると思っていますけどね。
― 外に出て、一般の人のように何かやりたいことはありますか。
チェ 私の趣味はインターネットでチャットをすることなんで、家の中でも十分楽しめることができるんです。そういう意味では、特に問題はないんですね。
― チャット以外に、インターネット上で何かハマっていることはありますか。
チェ 特別にこれというものはないんですけど、人とチャットで話したり、ネットサーフィンするのは楽しいですね。
― では、チェ選手は特技を何か持っていますか。
チェ 特技はですね、……ダンスをするのが好きですね。
― そのダンスというのは、どのくらいの年齢のときに目覚めたんですか。
チェ 大学のときですね。
― その体の大きさで踊るとしたら、すごく目立ってしまうんじゃないですか。
チェ 韓国人は、体の大きい人間が踊っていると、『怖い』というイメージよりも『かわいい』というイメージを持つんです。だから、特に問題はなかったですよ(笑)。
― 今日はお忙しい中ありがとうございました。
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